# 日本語の記事を執筆・推敲するためのルール 読者が一度で理解できる日本語の記事を書くための指針です。新規執筆、改稿、翻訳に使えます。文体・表記・変更範囲は、依頼や媒体の指定に従います。 「大規模言語モデル(LLM)が書いたようだ」と感じたら、説明の重複、曖昧な評価、機械的な構成など、読みづらさの原因を確かめます。読者に必要な内容を選び、主張と理由の関係を明確にします。生成文を判定する検出器の点数を目標にして、不規則な文や誤りを加えません。 ## 読者と記事の目的 記事ごとに想定読者を定め、既に知っていること、説明が必要な前提、読後に説明・判断・実行できるようになることを整理します。「何について書くか」に加え、「どの関係が分かればよいか」「何を判断できればよいか」を具体化します。概要を求められている場合は、扱う範囲の全体像を伝えます。例えば、プログラミングの経験があっても、統計や金融の知識があるとは限りません。読者設定を本文に宣言する必要はありません。 概要や規模感を伝える記事では、結論と主要な理由が分かる詳しさにします。計算の再現・実装・設計まで扱うかは、記事の目的に応じて決めます。説明の要否も、この到達点を基準に判断します。 本文だけで中心となる問いと答え、主要な理由、結論を左右する前提が分かるようにします。説明を追加するときは、それを理解するための用語・前提・計算も含めて、読む負担を考えます。気軽に読む記事では、主題に必要な概念に絞ります。 日英それぞれの記事は、想定読者に合わせて独立に構成します。導入・章立て・具体例・詳しさを変え、必要な説明を追加・省略できます。中核となる定義・事実・著者の立場と、共通する主張の強さ・成立条件は揃えます。それぞれの記事だけで、結論の根拠と適用範囲が分かるようにします。 ## 文体と主張の強さ 文体は記事の目的に合わせて選び、同じ役割の説明では揃えます。見出しや図表のラベルには、名詞だけの短い表現を使えます。 書き手が指定した文体の参考例があれば、語彙、読者との距離、説明の詳しさ、段落の進め方を参考にします。文の長さや記号の頻度まで機械的に再現しません。参考例の事実・体験・意見を、原稿の書き手のものとして持ち込むことも避けます。既存原稿の自然で明確な言い回しや、意図のある文体上の選択は残します。 一人称は実際の主体と役割に合わせます。個人、家庭、研究チームの体験や判断を区別し、論文への関わり方も正確に示します。「本記事では」などの表現は、目的・範囲・定義を示すために必要な場合に使います。 ### 断定と推測の書き分け 記事で想定する条件のもとで成立する要点は、「〜です」「〜できます」と簡潔に言い切ります。確認した事実・定義・自分の設計判断を明確に示し、理解に必要な関係を保てる範囲で説明を簡略化します。 推測や予想には「〜と考えられます」「〜かもしれません」などを使い、根拠の強さと未確定の内容を伝えます。「可能性が考えられます」は「可能性があります」と簡潔にできます。根拠から導けない結論や、式と矛盾する説明は、内容を訂正します。 読みやすくする際も、観測、数学的な性質、仮説、原因、目的を区別します。例えば「観測は仮説Aと整合します」は、ほかの仮説を退けたことや、Aが原因であることを意味しません。「結果としてそうなる」を「そのために設計された」へ変えると、目的まで推定したことになります。主語・動詞・構文を整えるときも、根拠が支える範囲を保ちます。 - 定義: 「この調査では、1回の注文を1件と数えます。」 - 観測: 「今回の測定では、処理時間は平均2秒でした。」 - 推測: 「この構成は、メモリー使用量を抑えるために採用されたと考えられます。」 - 予想: 「利用者が増えると、待ち時間が延びるかもしれません。」 ### 留保と適用条件 主張に添える注意や条件は、次の順に見直します。 1. どの主張に対する留保かを確かめます。削ると成立範囲や根拠の確かさを取り違えるか、読者の判断や行動が変わるかで必要性を判断します。 2. 主張や数値の示し方が誤解を招いているなら、先にその説明を直します。対象や条件を主張に含めれば済む場合は、別の注意文を省きます。 3. 必要な条件を、該当する主張の近くに短く示します。共通の前提は導入にまとめ、話題が変わって適用範囲が分かりにくくなる箇所で再掲します。条件を満たさない場合の対処は、記事の目的に含まれるときに説明します。 手順や性質の説明に添える否定も、何の誤解を防ぐのかを確かめます。既に伝わる区別の念押しや、その箇所で扱う必要のない論点への注意は省きます。例外があるという理由だけで、毎回「とは限りません」を加える必要はありません。 - 主張に範囲を含める例: 比較対象が3製品なら、「Aが最も軽量です。ただし、市販の全製品を比較したわけではありません。」→「今回比較した3製品では、Aが最も軽量です。」 - 共通の前提を示す例: 全品を10%引きで販売する計算例なら、冒頭で割引率を示します。各商品の計算では繰り返さず、割引率を変える箇所で新しい条件を示します。 - 念押しを省く例: 受付順に処理すると説明し、手順にもその順序を示していれば、「料金の高い依頼を先に処理するわけではありません」は省けます。 - 別の論点への注意を省く例: 重さだけを比べる節で「AはBより軽いです」と述べる際に、耐久性を論じる必要がなければ「長持ちするとは限りません」は付け足しません。 「〜だけでは分かりません」「〜とは限りません」「〜には検証が必要です」が続く場合は、各文の対象と役割を比べ、重複をまとめます。単独で読む図表には、読み取りに必要な条件を再掲できます。 否定を肯定形へ変える場合も、主張の強さを保ちます。「Aだけでは決まりません」を「AとBで決まります」に変えるには、B以外の要因や条件も確認する必要があります。不要な留保は補足にも移さず削り、必要な条件の詳しい検討だけを補足に分けます。 ## 文・段落の作り方 ### 見出しの書き方 見出しには、節の内容を示すものと、「はじめに」「おわりに」のように文章中の役割を示すものがあります。内容を示す見出しは、扱う対象や問いを簡潔かつ具体的に示します。同じ役割の節では、文法形式・詳しさ・比較軸を揃えます。見出しだけをたどり、本文の内容と説明の順序が分かるか確認します。 既存の見出しを直す際は、節の役割と語り口を保ちます。さまざまな記事に当てはまる抽象的な語句への置き換えは、具体化にはなりません。個人的な所感を一般的な教訓に見せたり、本文より広い主張を掲げたりしないか確かめます。 「〜化」「〜の実施」などは、意味を加えていなければ省きます。操作・変化・目的を表すために必要な語は残します。 ### 文の長さと段落の区切り 1文の要点を明確にし、条件や理由を詰め込みすぎたら分割を検討します。40〜60字程度を見直しの目安にします。原因と結果、条件と結論などを一緒に示す方が理解しやすければ、長い文でも構いません。 読点の位置は、意味のまとまりと読みやすさで決めます。目的語と述語など、結び付きの強い語句の間に読点を置いた場合は、区切りが理解を助けているか確かめます。読点を外すだけで読みにくくなる場合は、修飾の長さや語順も見直します。 同じ対象や作業を別の表現で繰り返していないか確認します。何かを紹介する文では、その対象や用途にたどり着くまでに説明が重なっていないか確かめます。必要な意味を保ちながら、説明を整理したり、次の文へ分けたりします。 表現を省略・統合するときは、情報の重複だけでなく、前後をつなぐ役割も確かめます。利用経験から紹介する理由を示したり、一般的な話を身近な例につないだりする表現は、短くできても残す方が自然な場合があります。修正した文だけでなく前後を続けて読み、話題の移り方や説明の理由をたどれるか確認します。 例: 「社内でも、経費の申請方法を説明するガイドを、費用の精算手続きを案内するために使っているので紹介します。」→「社内でも経費申請の案内にこのガイドを使っているので、紹介します。」この文脈では、申請方法の説明と精算手続きの案内が同じ役割を果たしています。説明をまとめ、利用経験から紹介する理由につなぐ流れは残しています。 1段落ではおおむね1つの話題を扱い、話題が変わったら段落を分けます。主張・理由・具体例など、その段落で理解がどう進むかを確かめます。既出の説明を同じ役割で言い直しているだけなら、統合または削除します。難しい説明を具体例で理解し直すことや、離れた説明を結び付けることも段落の役割です。 総括文は、その位置で何を助けるかを確かめます。直前の説明を同じ役割で言い直しているだけなら、省略や統合を検討します。複数の例の共通点を整理する、長い説明の要点を思い出せるようにする、次の話題との関係を示す場合は、既出の内容でも短くまとめられます。残した場合と省いた場合を読み比べ、要点や成立条件を保ちながら説明をたどれるかで判断します。 - 削る例: 「オンラインで申請できるので、窓口へ行く必要はありません。これにより、窓口に出向かずに申請できます。」後半は前半を言い直しているだけです。 - 残す例: 「窓口の受付は平日の日中だけですが、オンライン申請は24時間受け付けています。平日の日中に時間を取れない人も申請できます。」後半は、受付時間の違いが誰に役立つかを説明しています。 - 既出の内容を整理する例: 複数の文章の修正例を示した後で、「今回の例では、重複した説明が減り、理由や手順の説明が補われました」とまとめ、推敲の頼み方へ進みます。各例で述べた変化でも、まとめて振り返ることで、比較全体と次の話題との関係をたどりやすくなります。 説明の順序と分量は、読者の目的と理解に必要な詳しさで決めます。つまずきやすい関係には例や途中経過を使い、既に分かる内容は短くします。役割や重要度が異なる説明まで、同じ文数・同じ展開に揃える必要はありません。比較や手順では、対応する項目を揃え、情報を探しやすい形式を保ちます。 列挙では比較軸・用語・条件を揃え、項目数は説明する内容から決めます。「利点を必ず3つ」「長所と短所を同数」のように数を先に決めて、重複した説明や根拠の弱い項目で埋めません。 ### 文末・文型の反復 同じ文型が続いて単調に感じる場合は、まず説明の重複を確かめます。例えば、各節が数値の列挙、判断できないこと、追加調査の必要性という順で終わっていたら、共通の注意をまとめます。 次に、主語・構文・文の長さを確認します。同じ文末表現が3文以上続く箇所を目安に、関連する文の統合や順序の変更を検討します。並列する情報には箇条書きや表も使えます。回数は確認箇所を探すために使い、合否の基準にはしません。 例: 「会員は8人です。非会員は12人です。参加者は合計20人です。」→「参加者20人の内訳は、会員8人と非会員12人です。」 語尾を変えるためだけに否定・問いかけ・推量・体言止めを加えたり、同じ概念を別の語で呼んだりしません。定義・仕様・比較項目の対応を示す反復は残し、文体と意味の正確さを保ちます。 ### 概要・詳細・まとめの役割分担 タイトルと概要には、本文で答える問いと扱う範囲を示します。導入・各節・まとめは、次のように役割を分けます。 - 導入では、問いを理解するための背景と主要な答えを示します。 - 各節では、答えの理由を、記事の到達点に合う仕組みや具体例で説明します。 - まとめでは、得られた理解と、それを利用や判断にどう生かせるかを示します。 複数の例や長い説明の後では、読者が要点を整理して次の話題へ進めるか確かめます。個々の説明と記事全体の主題との関係を読み手に委ねすぎている場合は、主要な結果を短くまとめます。結びで所感や提案へ移る場合も、それまでの説明との関係が分かるようにします。必要な分量は、説明の長さや複雑さ、次の話題との距離に応じて決めます。 まとめで主要な結果を再掲する場合も、各節を同じ分量で紹介し直す必要はありません。短い結論で役割を果たせるなら、独立したまとめの節は省けます。 索引・作業手順・トラブル診断など、参照して使う情報は、用途ごとに箇条書きや表へまとめます。確認事項を実際に使う場所に集め、必要な箇所から参照します。 ### 問題意識と提案の位置づけ 新しい方法・概念・製品・見方を紹介するときは、取り上げる理由を導入で示します。読者が達成したいことや判断したいことを挙げ、その方法や見方がどう役立つかを説明します。調査・解説記事では、未解決の疑問や理解しにくい点を出発点にできます。 既存の方法との比較が動機になる場合は、共通点と相違点、残る課題を示します。冒頭では主題につながる違いに絞り、詳しい比較条件・根拠・例外は後の節や補足で説明します。 課題と特徴を対応させます。例えば「同じ計算を繰り返す」という課題を挙げたら、何を保存し、どの条件で再利用できるかを説明します。省ける計算まで示せば、機能の違いが作業にどう影響するか伝わります。 既存の方法の問題点は、それが生じる用途や条件とともに書きます。比較対象の長所や適用範囲を保ち、提案の必要性を示すために欠点を誇張しません。 ### 段落のつなぎ方 段落は因果・対比・具体例などでつなぎ、接続詞をその関係に合わせます。「も」「さらに」「もう1つ」は追加、「一方」は対比がある場合に使います。「そのため」を補う際は、根拠のある因果関係か確かめます。比較対象や話題が変わる箇所では、その変更を明示します。 「理解の手掛かりになります」「〜を考えるうえで重要です」と書く前に、何が何にどう関わるかを説明します。読む資料や調べ方を選ぶための案内は、行動や判断に役立つ場合に残します。 例: 移動時間を説明するなら、「交通手段が重要です」→「同じ距離でも、徒歩か自転車かによって移動時間が変わります。」 証拠から原因を推測する場面など、説明に必要な意味を持つ「手掛かり」はそのまま使えます。 案内や予告は、前後の内容を言い直すだけなら省けます。執筆の動機や読者への呼びかけ、話題の切り替えを担う場合は、その役割を保ちます。例えば「普段使っている方法なので紹介します」は、経験を紹介する理由につなげ、読者を本文へ導きます。「紹介します」という語があるだけで削らず、削除や言い換えで読者との距離や説明の進み方がどう変わるかを確かめます。 節末の要約・比較は、説明をたどるために必要な箇所に置きます。定義・式・詳細を参照する場合は、節番号や見出しで参照先を示します。 ## 説明と根拠 ### 理由・条件を伴う説明 方法や特徴を説明するときは、実現したいこと、働く仕組み、得られる結果を結び付けます。選択を論じる場合は、採用理由と不利になる条件も示し、読者が自分の目的に合うか判断できるようにします。 「良い」「便利」などの評価には、目的や比較基準と理由を添えます。結論を先に示す場合も、本文で理由をたどれるようにします。仮定した変更の結果は、現在の仕様と区別して説明します。 - 商品の評価例: 「このまな板は薄いので、以前使っていた1枚分のスペースに3枚収納できます。」 - 設計の説明例: 「同じ入力の計算結果を保存して再利用し、繰り返しの計算を省きます。結果を保存する分のメモリーが必要です。」 ### 主張と根拠の対応 主張の種類に合う根拠を示します。例えば「計算結果を保存して再利用する」は設計上の選択で、「応答時間が短くなる」は効果についての主張です。速くなると述べるには、再利用できる条件や測定結果など、その効果を支える理由が必要です。 「安定している」なら、どの条件を変えたときに何がどの程度変わらないのかを示します。「過剰」「公平」「望ましい」なら、評価の目的や基準を明らかにします。要約も、本文で根拠を示せる範囲に合わせます。 「専門家は指摘しています」「多くの研究が示しています」などと書く場合は、誰が何をどの条件で述べたのかを確認します。資料が実際に主張を支えているかを確かめ、出典の数や適用範囲を正確に示します。1件の研究結果を広い合意として扱いません。 出典を確認できなかった箇所は、未確認として編集報告に記します。確認できないことを理由に虚偽と判断して削除したり、出典を作ったりしません。検索で見つからなかった情報も、それだけで「非公開」とは判断できません。事実関係を訂正する場合は、根拠と変更内容を説明します。 著者の視点は、何を重視し、比較から何を読み取り、どこまでを結論とするかで伝えます。実体験に基づくレビューでは、具体的な使用場面と率直な判断を残します。自然さを演出するために、実際にはない体験・感情・発見の経緯・検証作業を加えません。ツールの利用や他者の協力も、実態に合わせて記します。 出所・加工・検証については、執筆時に確認することと、本文で説明することを分けます。編集作業の説明は、省くと内容や比較結果の解釈が変わる場合、または媒体の指定がある場合に加えます。例えば「モデルの出力をそのまま掲載しています」で比較の前提が伝わるなら、表示のためにMarkdownをHTMLへ変換したことや、文章を変更していないことを重ねて説明しません。引用の省略やデータの選別など、結果の読み取りを左右する加工は明示します。 ### 具体例による理解 定義や手順を学ぶ記事では、入力・操作・結果を追える代表例を示します。数式なら小さな計算例、プログラムなら入力と出力、比較記事なら条件を揃えた利用場面などを使います。概要や規模感を伝える記事では、主要な理由を理解できる例に絞ります。 例では、何を確かめ、結果が何を意味するかを示します。後続の理由・条件・対処を同じ例で追うと理解しやすい場合は、その例を引き継ぎ、どの情報や操作が変わったかを示します。別の例を使う場合は、理解にどの違いや関係を加えるかを確かめます。例をまとめたり省いたりする前に、その例が示す条件・結果・読者への影響を確かめます。同じ仕組みを示す例でも、理解や判断に必要な違いがあれば、その違いが分かる短い説明を残します。途中経過は仕組みの理解に役立つ範囲に絞り、重複する追加の例や検算は補足に分けるか省きます。 ### 対象・操作・結果の説明 説明の目的に合う情報を示します。調査の目的なら何を知りたいのか、機能なら何ができるのか、性能差なら何を比較してどう違ったのかを書きます。「検証しました」という作業報告だけでなく、その結果まで示します。 概念や仕組みは、どのような場面で、何を対象に、何をするものかから説明します。専門語・数式・計算手順は、その働きや対象同士の関係を理解できる位置で導入します。 例: 平均値の求め方を教えるなら、「人数の違うクラスのテスト結果を比べるため、1人あたりの点数を求めます」と目的を示します。続けて「クラスごとに全員の点数を足し、そのクラスの人数で割ります」と操作を説明します。 変化や作用を述べるときは、対象・条件・操作・結果を示します。手順が変わるのか、計算に使う値や出力が変わるのかを区別し、必要に応じて数値・型・実例を添えます。比喩を使う場合も、実際の関係を説明します。 ### 言い換えで保つ意味 言い換えでは、主張の対象・動作・適用範囲と、それらの関係を保ちます。例えば「誤差の最小化」を「小さな誤差」にすると、目的・操作が状態に変わります。数量・頻度・強度も、それぞれ別の観点として扱います。不要な話題は説明ごと削れますが、残す結論の理由や適用条件は保ちます。 短くするときは、省いた語が動作の主体、対象の範囲、条件のかかり先を示していなかったか確かめます。省略によって読者が新たに補わなければならない関係が生じた場合は、必要な語を戻します。短くなったことだけを改善の理由にしません。 文体の推敲では、原文の説明理由や根拠を、同じ結論を支える別の理由や根拠に差し替えません。「乗り換えが少ないので、この経路を選びました」を「運賃が安いので、この経路を選びました」に変えると、選んだ理由を作り替えてしまいます。説明不足を補う場合も、原文の理由を保ち、理解に必要な関係を補います。 「内包する」「過大評価しにくい」などの要約・評価表現は、指す対象と根拠が分かれば使えます。具体的に言い換える際も、操作の説明だけになっていないか確かめ、特徴や結果の意味を伝えます。 表現が不正確な場合は、根拠のある部分を言い直します。例えば平均待ち時間の短縮だけを確かめたなら、「全員の待ち時間が短くなりました」は「平均待ち時間が短くなりました」と訂正できます。誤った範囲の主張を直し、確かめた改善を伝えます。 義務・推奨・許可・参考を区別し、指示の強さや適用条件を保ちます。見出しや要約にも同じ基準を適用します。 ### 文の構造 意味が取りにくい文は、次の観点で組み直します。自然で明確な文は、表現上の好みだけで変える必要はありません。 主語に複数の述語が続く場合は、その主語が各動作を担うかを確かめます。処理のきっかけと実行主体も区別します。主体の省略で処理の順序や担当が曖昧になる場合は、実行主体を補います。文脈から担当と順序が明らかな省略は残せます。 複数の条件が名詞を修飾している文や、条件と否定が重なる文は、対象・条件・動作を分けて説明した案とも比べます。文の短さだけでなく、修飾先や否定の範囲を読み直さずに理解できるかで選びます。 | 観点 | 確認・修正すること | | --- | --- | | 主述・助詞 | 誰が何をするのかを確かめ、主語・述語・助詞を対応させます。処理とデータ、物と数量も区別します。出力を比べるなら、「実装と出力を比較」→「各実装の出力を比較」。 | | 修飾・範囲 | 修飾語を対象の近くに置き、否定・数量・条件の及ぶ範囲を明確にします。「新しい社員の研修」→「新入社員の研修」または「社員向けの新しい研修」。 | | 指示・省略 | 「これ・それ・このこと」の参照先や省略した主語・目的語を、読者が特定できるか確認します。曖昧なら名詞を補い、不要な指示語は省きます。 | | 冗長・重言 | 意味の重複を省きます。「まず最初に」→「まず」、「約100人ほど」→「約100人」。違う語が同じ内容を指す場合も確かめます。「ご意見を参考にし、ご提案を踏まえて見直します」の意見と提案が同じものなら、「ご意見をもとに見直します」とまとめられます。 | | 名詞の連なり | 長い名詞句や回りくどい言い方を、動作が伝わる表現に直します。「検討を行う」→「検討する」、「利用することができます」→「利用できます」。 | | 迂回表現 | 「重要なのは何かというと」「価値は〜する能力にあります」などの前置きを省き、何が重要か、何ができるかを直接書きます。 | | 過剰な丁寧さ | 敬体を保って簡潔にします。「説明させていただきます」→「説明します」、「利用可能となっております」→「利用できます」。許可や相手への配慮を表すために必要な敬語は残します。 | | 否定・対比 | 「単なるAではなくB」「Aを超えてB」は否定・比較が必要な場合に限ります。必要な誤解の訂正は短く、対象と関係は具体的に書きます。 | | 並列表現 | 文法形式・比較軸・条件を揃えます。性質・操作・結果が混在する列挙は、関係を示す文に組み直します。 | ### 既存の方法・製品との比較 比較では、どちらの仕様・結果を述べているかを明示します。項目と条件を揃えて共通点と相違点を示し、比較する組み合わせが変わる場合は文を分けます。 仕組みを理解するための比較は該当する節に、全体を見渡す仕様は表に置きます。本文では、選択や結論に関わる差とその理由を取り上げます。例えば商品レビューでは使用場面、施設比較では利用条件を左右する差を選びます。処理回数の差を実行時間の差へ読み替えるなど、測った量を別の量として扱いません。 ### 数値の出所と精度 調査や試算では、資料の値・自分の実測値・仮定・計算で求めた値を区別します。出典・計算・成立条件を確認し、次のように出所を示します。 | 値の種類 | 示す内容 | | --- | --- | | 資料の値 | 「製品の仕様書では〜としています」のように出所を示し、その場で引用します。 | | 実測値 | 測った対象と主要な結果を示します。主張の対象や比較の範囲を取り違えないよう、必要な条件を添えます。 | | 仮定 | 「ここでは〜と仮定します」「〜の場合を想定します」と明示します。仮定を製品仕様や実機の設計値として書きません。 | | 計算で求めた値 | 「1個約2 kgの箱が10個あるので、合計約20 kgと見積もれます」のように、主な前提と計算による値であることを示します。 | 数値は、結論、仕組みの理解、選択、再現、検証のどれに役立つかを確かめて掲載します。本文には主要な前提・結果とその意味を置きます。測定や計算を再現するための細部は、原則として補足にまとめます。手順を教えることが目的なら、実行に必要な条件を本文で説明します。 計算結果の直後に「この値では判断できない」と書く場合は、何のために掲載するのかを見直します。よくある誤解を解く反例や、指標の限界を示す実験なら、その役割を明示します。記事で使わない数値は、計算方法とともに省けます。 「約」「少なくとも」「下限」「目安」「試算」を使い分け、元の値や仮定の精度を超える桁数を示しません。計算から言える範囲を結論とし、その解釈に関わる未検討の課題を短く示します。例えば費用の試算だけで、技術面も含めた実現可能性を判断することはできません。 ## 語彙の選び方 語彙は、意味や周囲の語との組み合わせ、専門用語としての必要性から選びます。動詞と目的語、名詞と修飾語、助詞を含むまとまりで自然かを確かめます。硬い漢語・カタカナ語・くだけた和語のいずれも、文脈に合うかで判断します。 語彙の確認リストは、見直す箇所を探すために使います。LLMによる語の使用頻度の比較結果は、調べたモデル・課題・集計条件の範囲で扱います。その結果だけで、LLM全般の特徴や、日本語としての不自然さを判断しません。 ### 平易な評価表現 レビューや所感では、「便利です」「重宝しています」など、実感に合う言葉を選びます。「ツルツル」「ふわふわ」などの口語も、文脈に合えば使えます。技術記事では口語を控えめにし、対象の性質が具体的に伝わる表現を選びます。 評論・技術・調査・数理記事では、評価軸や比較対象を示します。従来法より処理が速かったなら、「性能が良いです」を「今回の測定では、従来法より処理時間が短くなりました」と具体化できます。 ### 用語の意味と導入 用語は、意味だけでなく、文の中で指す対象や動作が伝わるかも確かめます。例えば「問題を改善する」は、意図に応じて「問題を解決する」「状況を改善する」と書き分けます。定訳でも、文全体で自然に使えているかを確認します。 用語や分類名は、含まれる対象・除かれる対象・例外を確かめて選びます。専門用語を平易な説明に置き換える場合も、その用語が区別する対象・条件・性質を保てるか確かめます。説明だけでは範囲が広がる場合は、用語を残して用途や働きを短く添えます。例えば「ラジエーター」は冷却装置として説明します。「板」に置き換えると、装置としての働きが伝わらず、指す範囲も変わります。 「実用」「本格的」「高度な」などを対象名に添える場合は、区別の基準を確かめます。区別が必要なら用途・機能・条件を具体的に示し、不要なら修飾語を省きます。文脈から意味と根拠が分かる評価や、定着した専門用語は使えます。 例: 複数件を同時に処理できるかを区別したいなら、「高度な製品では〜」を「複数件を同時に処理できる製品では〜」とします。 新しい概念・指標・分類・略称は、記事のどの問いに答えるために導入するかを確かめます。意味や区別そのものが主題なら、その説明を残します。それ以外は、仕組みの説明、結果の解釈、読者の判断に使うかで必要性を決めます。名前が繰り返し登場するだけでは、説明に役立つとは限りません。 用語は、理解に必要になる位置で、意味と範囲が分かるように導入します。略称や独自の呼び方にも同じ基準を適用します。詳しい定義や例外は、後の説明や補足に分けられます。 定義では、概念が指す対象・範囲・役割を、既に説明した用語との関係が分かる形で示します。識別番号や保存形式、データ構造を説明する場合は、それらが概念をどう表すかを明示します。仕様や実装の表し方が主題なら、その形式を直接定義できます。 用語の意味や区別を教える場合、記法や仕様を定める場合には、独立した定義文を使えます。既に説明した内容に名前を付けるだけなら、その名前を使う説明に組み込むか、必要になるまで命名を待ちます。 例: 平均点の意味を説明済みなら、「全員の点数を足して人数で割ります。これが平均点です」は、「全員の点数を足して人数で割り、平均点を求めます」とまとめられます。 導入した語も、動詞や修飾語との組み合わせを確かめます。「集約した結果」なら、何を集めた結果なのかが分かるようにします。文脈から分かる情報は繰り返しません。 同じ概念の名称・表記・助数詞は記事内で揃えます。意味や処理段階が異なるものは書き分けます。再説明は、意味を広げたり区別したりする箇所や、独立して読まれる箇所で必要か判断します。 必要に応じて、訳語・原語・記号を添えます。例えば「利用者(user)」「距離d」と書けます。 ### 表記と強調 表記を統一するときは、語句の役割と規則の適用範囲を確認します。同じ文字でも、数量・用語・名称・見出しでは扱いが異なります。変更後の文や見出し全体が自然で、対象や観点を適切に表しているか確かめます。引用・固有名詞・コードの表記は保ちます。 読点は主語・修飾語・並列の区切りが分かる位置に置きます。読点が増えすぎる場合は、文の分割を検討します。 強調は中心となる結論・定義・重要な注意に絞ります。普通の専門用語を、英字であるという理由だけでコード扱いにしません。 箇条書きのラベルは、情報を探したり比較したりするために使います。続く文の言い直しにしかなっていなければ、ラベルを省きます。ラベルを削る判断と、箇条書きをやめる判断は分けます。独立した依頼・担当者・期限・手順などを拾い読みする用途では、箇条書きの形を保ちます。段落にまとめる場合は、説明のつながりが分かりやすくなり、必要な情報も探しやすいか確かめます。 ## 記事の種類に応じた構成 記事の目的に応じて、次の構成を使えます。項目ごとに独立した節を設ける必要はありません。 ### レビュー・実用記事 - 短い商品紹介なら、1商品につき1〜3文を目安に、用途・利点・使用場面を簡潔に書きます。 - 実際の体験、調べた情報、これから購入するなら何を選ぶかを区別します。 - 比較した対象・使用条件と、その範囲での評価を示します。感想には、そう感じた使用場面や理由を添えます。 ### 調査型まとめ・比較記事 - 選定方針と評価軸を一覧より先に説明し、主観的な評価と施設・製品の事実を区別します。 - 各項目では、主な特徴に続けて対象者・利用条件・アクセスなどを書きます。注意点も、利用を判断できる程度に具体的に示します。 - 料金・営業期間・設備など変わりうる情報には調査時点を示し、行動前の再確認を促します。確定していない価格は、根拠に応じて幅や見積もりとして示します。 - アフィリエイトリンクを含む場合は、記事の冒頭で明示します。宣伝的な表現を避け、選定基準に照らした欠点も書きます。 ### 技術解説・手順 - 読者の知識と学ぶ目的に合わせて説明を始めます。既存の方法との違いが主題なら比較から、仕組みを教えるなら小さな動作例から進められます。 - コード例には、処理の意図を説明するコメントを必要に応じて添えます。 - 手順を教える場合は、目標・前提・実行する操作・成功の確認方法を示し、作業に役立つ失敗例を添えます。 - 必要に応じて末尾にまとめ・謝辞・参考文献を置きます。 ### 数理・理論記事 - 議論の前提と、採用する理論や立場を示します。独自の提案がある場合は、既存の理論との違いを説明します。 - 主張に至る推論や、理解に必要な計算例は本文で説明します。追加の証明や前提の細かな検討は補足に分けられます。 - 別行立ての式にも、何を表し、何から求めたかを文章で添えます。概要を伝えるなら式の意味と結果の解釈を、方法を教えるなら代表的な計算過程も説明します。 ### 技術仕様・定義 - 導入で対象と用途を短く示し、中心となる定義と記号を説明します。式を先に示す場合は、続けて記号と計算の意味を説明します。 - 採用理由、代表的な計算手順、主な適用条件を本文で示し、仕様の意味と利用方法を判断できるようにします。 - 補足には追加の導出や例外の検討を置きます。反例は、適用条件や使い方の説明に必要な場合に添えます。 ### 調査・試算記事 - 導入で調べる問題と対象範囲を示します。 - 「実例→原理→前提と試算→結論」を説明順序の目安にします。結果を左右する仮定の影響も確認し、結論の理解に役立つ比較を選んで本文に示します。 - 比較する量の単位と条件を揃えます。例えば面積を比べるなら、土地の面積と建物の各階を合計した床面積を区別します。 - 数値の示し方は「数値の出所と精度」に従い、結論を左右する仮定や限界を本文に残します。 ## 本文・補足・図表 補足には脚注・付録・開閉式の注釈などを使い、媒体に合わせて形式を選びます。 ### 本文と補足の役割分担 本文には、問いへの答えを理解するための説明を置きます。説明を省いても要点と成立範囲が伝わるなら、本文から省けます。補足を閉じるか読み飛ばして確認します。 細かな数値を理解するために長い条件説明が必要なら、数値と条件をまとめて補足へ移せます。本文には結果の意味を残します。計算や測定の再現を教える記事では、その手順も本文に必要です。 補足には、本文の主張を詳しく確かめるための情報を置きます。 - 数値の内訳、係数の由来、計算過程、検算。 - 出典や測定方法、資料の記述と独自の推論の区別。 - 追加の証明、例外、別の導出や具体例。 例えば旅行費用を比べる記事では、旅行の日数や人数、交通費と宿泊費の比較を本文に置きます。料金の細かな内訳や計算過程は補足に分けられます。 補足の見出しやリンク語句は、何を説明するかが分かるものにします。独立した話題ごとに分け、本文の結論を繰り返すだけの前置きは省きます。検証に役立つなら長くても構いません。記事の目的に関わらない情報は、補足にも残さず削ります。 条件を本文に残すかは「留保と適用条件」、再現用の細部の扱いは「数値の出所と精度」に従います。本文の主張が強すぎる場合は本文を直し、補足の注意書きだけで打ち消しません。 ### 図表とキャプション 本文には図表から読み取る結論と主要な理由を書き、キャプションには図表の読み方を示します。図表を読み飛ばしても中心となる答えが分かるようにします。 図番号は、特定の細部を確認してもらう場合や、離れた箇所から同じ図に戻る場合に示します。隣接する本文と図の対応が明らかなら省けます。 図表とキャプションだけでも、対象・単位・比較の範囲が分かるようにします。実測か試算か、実物か説明用の再構成かを明示し、結論を左右する条件も添えます。読み取りに必要な情報は本文と重複しても残します。詳しい測定手順・実行環境・加工方法は補足に置きます。 形・色・配置や、表示への慣れを含めて全体を比較する場合は、複数の要素が異なっていても構いません。それぞれの要素の効果を論じる際は、同時に変えた要素の影響を切り分けられるか確かめます。 キャプションの例: 「色と形の組み合わせが異なる図の比較です。左は色と形で設備の種類を区別し、右は説明用に黒一色で再構成して形の差も小さくしています。」 画像の代替テキストは、画像に含まれる情報を文章で伝えるために書きます。画像を見ずに理解するために必要な関係や値は、本文やキャプションと重複しても残します。 ## 検索を使った確認 語句を検索するときは、本文・補足・図表のどこにあるかを区別し、周囲の文章とともに確認します。出現回数だけで合否を決めたり、自動で削除・置換したりしません。文脈に基づく推敲と、媒体で決めた表記の検査は区別します。 ## 執筆後の確認事項 新規執筆や大きな改稿では、内容と構成を決めてから文や語句を整えます。小さな修正では、対象箇所とその変更が影響する説明に絞れます。 推敲では、今回受け取った文章を比較の基準にします。過去の版にあったという理由だけで、削除済みの説明を戻しません。以下の確認と変更の採否判断は、出力前に行います。 1. **内容の選択:** 読者の到達点と結論を確かめ、出典・計算・成立条件を確認します。概念や数値を除くと、答えの理解に何が欠けるかを考えます。不要なら、付随する定義・比較・留保もまとめて省きます。残すためだけに例や使用箇所を増やしません。 2. **構成と重複:** 見出しと各段落の役割を短く整理し、読者の目的に合う順序と詳しさかを確かめます。大きな改稿では、主題と範囲を保ちながら、中心となる疑問や具体例に沿った短い構成案とも比べます。原文の視点や説明上の重点、自然な語り口が失われていないかも確認し、読者の理解や情報の探しやすさが改善する案を選びます。各節の末尾から次の節の冒頭へ続けて読み、話題や説明の具体性が変わる箇所で、読み手が関係をたどれるか確かめます。唐突さがあれば、順序の変更、既出内容の短い整理、関係の説明を検討します。本文だけ、補足を含めた全体、図表とキャプションだけをそれぞれ読みます。画像を代替テキストに置き換えた場合も確認し、各読み方での説明の不足や重複を直します。 3. **条件と留保:** 注意や否定の文を除いて前後を読み、必要な情報が失われるか確かめます。「留保と適用条件」の手順に沿って、主張の修正と注意文の削除・統合を判断します。 4. **文と語句:** 原文をいったん見ず、日本語の文章として通読します。「文の構造」の表で文意を確かめ、「語彙の選び方」に沿って語の組み合わせや修飾関係、用語・定義・評価表現を見直します。文体、一人称、見出し、漢字・送り仮名・数字・単位・長音・スペースを揃え、誤字脱字や誤変換を直します。 5. **比較と採否:** 受け取った文章と推敲案を比べ、主張の対象・条件・数量、専門用語の範囲、比較の向き、操作順序、因果関係、出所、断定・指示の強さが保たれているか確かめます。文や見出しの役割、読者への語りかけがどう変わったかも比べます。各変更が正確さ・自然さ・読み取りやすさをどう改善したか確認し、悪化した変更や、改善点を説明できない言い換えは戻します。構成が改善していても、個々の言い換えが改善したとは限りません。迷う箇所は、前後との整合を保ちながら、その変更だけを戻した案とも比べます。依頼上の必要がなく、自然さや明確さに優劣がなければ、元の表現を残します。 6. **修正後の再確認:** 確認中に修正した場合は、その箇所と影響する前後の説明について、4と5をもう一度行います。構成を変えた場合は、2の確認もやり直します。新しい重複や曖昧さ、意味のずれが生じていないか確かめ、式・節・図・引用の参照先を直します。依頼された変更範囲も確認します。 意味が変わっていないか迷う場合は、変更前後を短い文に展開して比べます。事実関係の訂正は文体の変更と分けて報告し、編集上の判断メモは公開する本文やコメントに書き込みません。 公開前には、依頼者への応答が本文に紛れ込んでいないかを確かめます。「承知しました」「以下が修正版です」「必要なら続きを作成します」などは取り除きます。モデルの知識範囲を述べる定型句も確認し、著者の調査範囲と混同させません。ツール利用の開示や調査日は、記事の情報として残します。 最後に想定読者として通読し、中心となる主張について、「なぜそうなるか」「何がどう変わるか」を読者が説明できるか確かめます。本文と想定した前提知識だけでは関係をたどれない場合は、原文の理由や根拠を保って、必要な説明を補います。問いに必要な深さで答え、主張と根拠が一致し、成立条件も伝わることを確かめます。直すべき具体的な問題が見つからず、追加の変更による改善も説明できなければ、推敲を終えます。